家の中で大きい蟻を発見した時、その瞬間の行動がその後の被害を左右することがあります。パニックにならず、冷静に対処するための「やるべきこと」と、状況を悪化させかねない「やってはいけないこと」を理解しておきましょう。まず、やるべきことの第一は「観察」です。すぐに叩き潰したい気持ちをぐっと抑え、その蟻がどこから来てどこへ向かうのか、そのルートを数分間見守ってください。もし壁のひび割れや床の継ぎ目、巾木の隙間など、特定の場所に出入りしているのであれば、そこが侵入経路や巣の入り口である可能性が非常に高いです。その場所を覚えておくか、スマートフォンで写真を撮っておくと、後の対策に非常に役立ちます。また、他にも仲間がいないか、周辺を注意深く確認することも重要です。観察が終わったら、目の前の一匹を駆除します。ティッシュで捕まえて潰すか、掃除機で吸い取ってしまうのが手軽です。次に、蟻の餌となるものを断つことも「やるべきこと」です。床に落ちた食べかすやペットフード、砂糖やジュースのシミなどは、彼らにとってご馳走です。見つけた蟻の周辺だけでなく、家全体を清潔に保つことを心がけましょう。一方で、「やってはいけないこと」の代表格が、見つけた蟻の通り道に、焦って市販の殺虫スプレーをむやみに吹きかけることです。確かに目の前の蟻は死にますが、スプレーの忌避効果によって、他の蟻たちが警戒し、別の新たなルートを開拓してしまう可能性があります。これにより、被害が家中の別の場所に拡散してしまう恐れがあるのです。また、見つけた一匹をただ見逃すのも良くありません。それがもし巣の場所を探す新女王蟻だった場合、家のどこかで繁殖を許してしまうことになります。大きい蟻との遭遇は、あなたの家が蟻にとって魅力的である、あるいは侵入しやすい場所があるというサインです。そのサインを見逃さず、冷静な観察と適切な初期対応を心がけることが、問題を大きくしないための鍵となります。
大きい蟻を見つけた時にやるべきことやってはいけないこと