キセルガイが植物に大きな害を与えないと理解していても、家の壁や玄関先にびっしりと張り付いている光景は、生理的な嫌悪感を抱かせるのに十分です。特に梅雨時に大量発生した場合、何らかの対策を講じたいと考えるのは自然なことです。ここでは、化学薬品である殺虫剤に頼らず、環境への負荷が少ない物理的な方法でキセルガイの数をコントロールするための具体的な対策をご紹介します。最も原始的で、しかし最も確実な方法が、手による捕獲です。キセルガイが活発に活動するのは、雨が降った後や、湿度の高い早朝・夜間です。これらの時間帯を狙って庭を見回り、見つけた個体を割り箸や火ばさみで捕獲します。捕獲した個体は、塩や熱湯で処理するか、ビニール袋に入れてしっかりと口を縛り、ゴミとして処分します。地道な作業ですが、数を確実に減らすことができます。次に、コンクリートの叩きや石垣の隙間など、植物が生えていない場所に大量発生している場合に有効なのが、熱湯による駆除です。やかんで沸かした熱湯を、発生場所に直接かけることで、瞬時に駆除することができます。ただし、植物の根元や芝生の上などで行うと、植物も一緒に枯れてしまうため、場所を厳選して行う必要があります。火傷にも十分注意してください。そして、最も根本的な対策は、そもそもキセルガイが大量発生しにくい環境を作ることです。キセルガイは日中、物陰に隠れています。庭に放置された植木鉢、石、板などを片付け、隠れ場所を減らしましょう。雑草が茂っている場所や、落ち葉が厚く積もっている場所も、彼らにとって最高の住処です。定期的に草むしりを行い、落ち葉は熊手で集めて適切に管理します。これらの物理的な対策は、殺虫剤のように一瞬で全滅させることはできませんが、環境への影響を最小限に抑えながら、不快に感じないレベルまで数をコントロールすることを目的としています。
薬剤不要!キセルガイを物理的に減らす方法