鳩の巣の駆除や、追い払い対策と同時に、絶対に避けて通れないのが「糞の掃除」です。鳩の糞は、単に見た目が不潔で、悪臭を放つだけでなく、様々な病原菌やアレルゲンを含んだ、非常に危険な物質です。正しい知識と手順で、安全に、そして徹底的に清掃することが、健康被害を防ぎ、鳩の再来を防ぐ上で、極めて重要になります。まず、掃除を始める前に、必ず「完全防備」の装備を整えてください。乾燥した糞の粉末を吸い込まないための「マスク(できればN95などの高性能マスク)」、病原菌が直接肌に触れるのを防ぐ「ゴム手袋」、そして目を保護するための「ゴーグル」は、必須の三点セットです。服装も、汚れても良い長袖・長ズボンを着用し、肌の露出をなくします。掃除の手順は、まず、乾燥して固まった糞に、霧吹きなどで水を吹きかけ、十分に湿らせることから始めます。これを行うことで、掃除中に糞の粉末が空気中に舞い上がるのを、最大限に防ぐことができます。水に、中性洗剤や殺菌効果のある洗剤を数滴混ぜておくと、より効果的です。糞が十分に柔らかくなったら、ヘラや、使い捨てのブラシ、あるいは古いカードなどで、丁寧に削り取っていきます。削り取った糞は、すぐにビニール袋に入れ、口を固く縛ります。糞をすべて取り除いたら、次に「洗浄」と「消毒」です。糞が付着していた場所を、ブラシと洗剤でよく水洗いします。その後、塩素系の消毒液(漂白剤を薄めたものなど)や、エタノールなどのアルコールスプレーを、広範囲にわたって十分に吹きかけ、徹底的に消毒します。鳩は、糞の臭いが残っている場所に、縄張り意識を持って戻ってくる習性があります。この臭いを完全に消し去ることが、再発防止の鍵となるのです。掃除が終わったら、使用した手袋やマスク、ブラシなども、すべてビニール袋に入れて密封し、可燃ゴミとして処分します。そして、最後に、石鹸で丁寧に手洗いとうがいをすることを、決して忘れないでください。
鳩の糞掃除、安全で正しい手順