家の中でハエの幼虫、いわゆるウジ虫を発見した時、多くの人は「一体どこからこんなものが」と強い衝撃と不快感を覚えるでしょう。彼らは決して何もない場所から自然発生するわけではありません。必ず、成虫のハエが卵を産み付ける「発生源」が家のどこかに存在しているのです。その場所を特定し、対策を講じることが、問題解決への第一歩となります。家庭内における最大の発生源は、言うまでもなく「生ゴミ」です。特に、キッチンの三角コーナーや、蓋のないゴミ箱に捨てられた調理クズや食べ残しは、ハエにとって最高の産卵場所となります。魚のアラや肉の切れ端など、動物性タンパク質が腐敗する際に発する強烈な匂いは、遠くにいるハエをも強力に誘引します。夏場など気温が高い時期には、ゴミを捨ててからわずか数時間でハエが卵を産み付け、翌日にはウジ虫が湧いているというケースも珍しくありません。ゴミ袋の口をしっかりと縛っていなかったり、袋に穴が開いていたりすると、そこから侵入されてしまいます。また、見落としがちなのが、キッチンシンクの排水口や、その内部のゴミ受けです-。ここに溜まった食品カスやヘドロも、ハエの産卵場所となり得ます。同様に、浴室や洗面所の排水口も、髪の毛や皮脂汚れが蓄積し、チョウバエなどの小型のハエの発生源となることがあります。さらに、ペットを飼っているご家庭では、ペットの排泄物の処理が遅れたり、ペットフードを長時間放置したりすることも、ハエを呼び寄せる原因となります。稀なケースとしては、ネズミなどが家の天井裏や壁の中で死に、その死骸にハエが卵を産み付けて、室内にウジ虫が落ちてくるという悲劇も起こり得ます。ハエの幼虫を見つけたということは、あなたの家のどこかに「腐敗した有機物」が放置されているという明確なサインです。まずは最も可能性の高いゴミ箱周りから徹底的にチェックし、発生源を突き止めることが、駆除と再発防止の鍵を握るのです。