大切な衣類を虫から守りたい。でも、化学的な防虫剤の、あの独特のツンとした匂いが苦手。あるいは、小さなお子さんやペットがいるため、薬剤の使用にはできるだけ慎重になりたい。そんな方に、ぜひ試してほしいのが、ハーブなどの天然素材を活用した、ナチュラルな衣類防虫です。古くから、人々は植物が持つ自然の力を利用して、大切な衣類を虫から守ってきました。化学薬品ほどの強力な殺虫効果はありませんが、その優しい香りと安全性は、何物にも代えがたい魅力です。衣類防虫に効果があるとされる代表的なハーブが、「ラベンダー」です。その爽やかで心地よい香りは、人間にとってはリラックス効果がありますが、イガやコイガといった衣類害虫は、この香りを非常に嫌います。乾燥させたラベンダーのポプリを、サシェ(香り袋)や、お茶パックなどに入れて、クローゼットに吊るしたり、タンスの引き出しに入れたりするだけで、手軽な防虫対策となります。同じく、スーッとした清涼感のある香りの「ペパーミント」や、独特のウッディな香りが特徴の「シダーウッド(杉)」も、高い防虫効果を持つことで知られています。シダーウッドは、その香り成分が害虫を寄せ付けないだけでなく、湿気を吸収し、衣類をカビから守る効果も期待できます。ブロック状やボール状の製品が市販されており、クローゼ-ットに置くだけで、効果を発揮します。これらのハーブの香りを、より手軽に活用する方法が、エッセンシャルオイル(精油)を使うことです。コットンや素焼きの石などに、ラベンダーやシダーウッドのエッセンシャルオイルを数滴垂らし、それをクローゼットの隅に置いておくだけで、香りが空間全体に広がります。ただし、オイルが直接衣類に付着するとシミになる可能性があるため、置き場所には注意が必要です。これらの天然素材による防虫は、あくまでも害虫を「寄せ付けにくくする」忌避効果が中心です。すでに発生してしまった害虫を駆除する力は弱いため、衣類を清潔に保つという基本的な対策と組み合わせて行うことが、何よりも重要です。