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2026年6月
  • 駆除のプロが語るゴキブリの侵入経路と驚異の能力

    ゴキブリ

    「お客様の多くは『うちは綺麗にしているのになぜ出るのか』と仰いますが、ゴキブリの侵入は清潔さよりも、建物の物理的な欠陥に起因することの方が圧倒的に多いのです」と語るのは、この道二十年のベテラン駆除技術者です。彼によれば、ゴキブリが「どこから入るか」という謎を解く鍵は、彼らの驚異的な身体能力と、人間が気づかない「微細な隙間」の存在にあるといいます。プロの現場調査では、まず懐中電灯を手に、壁の隅々や設備の裏側をミリ単位でチェックします。特筆すべきは、ゴキブリが体高をわずか三ミリ程度にまで押し潰すことができる能力です。これにより、一見すると密閉されているように見える玄関ドアのゴムパッキンの劣化部分や、窓の召し合わせ部分のわずかな隙間から、彼らは忍びのように滑り込んできます。インタビューの中で彼が指摘した意外な侵入経路は、コンセントプレートの内部でした。壁の裏側には電気配線が通るための空洞があり、そこは床下や屋根裏と繋がっています。ゴキブリはこの壁の中を自由自在に移動し、コンセントの隙間から、まるで壁から湧き出すように現れるのです。また、彼はエアコンの設置状況についても警鐘を鳴らします。配管を外に出すために壁に開けられた穴、いわゆる配管スリーブの周囲がパテで十分に埋められていなかったり、経年劣化で剥がれ落ちていたりするケースが非常に多いそうです。「私たちは、部屋全体を一つの風船のように捉えます。どこかに穴があれば、そこから彼らは必ず漏れ出してくる」と彼は例えます。プロが行う防除の真骨頂は、薬剤を撒くこと以上に、これらの穴を特定し、ステンレス製のメッシュや強力なシーリング材で一つずつ確実に封印していく「物理的封鎖」にあります。彼らは空気の流れや温度の変化、そして二酸化炭素の濃度を敏感に察知して、室内の快適な環境を探し当てます。一般の方ができる最善の策は、まず自分の家にある「穴」の存在を認めることだといいます。日々の掃除に加えて、一年に一度は家中を一周して、サッシの建付けが悪くなっていないか、配管のパテが割れていないかを点検すること。プロが現場で最初に行うその観察眼こそが、ゴキブリとの終わりなき戦いに終止符を打つための、最も強力な武器になるのです。